公表データから見る実地税務調査

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FROM 個人のお客様のための佐々木健税理士事務所(東京 東久留米市)

 国税庁から発表される資料には有益な情報がかなりあります。例えば、「第64回 事務年報 平成26年度 国税庁」(平成27年12月)には、国税庁の事務運営の状況や各種計数が税目別に取りまとめられています。

 例えば、相続税ですが、平成25年度税制改正により、平成27年1月1日以後に 相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与により取得する財産に係る相続税について、基礎控除額の引下げなどの改正が行われました。「第64回 事務年報 平成26年度 国税庁」は、平成26年度の数値であるため、平成25年度改正の影響はまだわかりませんが、26年中に相続税の申告をした相続人の数は15万6千人とのことです。そしてこのうち実地調査を行った件数は12,406件、さらに申告漏れがあった件数は10,151件であると記載されています。単純計算することはできませんが参考値としての実地調査割合は12,406/156,000=7.95%です。そして、実際に調査で申告漏れを指摘された割合は10,151/156,000=6.51%であることがわかります。平成27年は申告件数が増えることからその影響で、実地調査割合は低下することが予想されます。ご興味のある方は、もうすぐ発表される「第65回 事務年報 平成27年度 国税庁」で確認してみてください。

 また、個人の申告所得税についても触れたいと思います。まず、確定申告の状況ですが平成26年分所得税の確定申告書の提出人数は2,139万人でその内訳は申告納税額のある者612万人、還付申告をした者1,249万人、その他の者278万人です。次に事業所得者についての税務調査ですが、実地税務調査の件数は67,774件でした。そして、実際に調査で申告漏れを指摘された件数は実地調査によるものが、56,214件でした。事業所得者の人数は1,626,000人と記載がありますので、実地調査割合は67,774/1,626,000=4.17%、実際に調査で申告漏れを指摘された割合は56,214/1,626,000=3.46%です。ここから、個人の事業所得者に対する実地調査割合は5%を切っていることがわかります。また、限られた事務量の中で実地調査を行うことから「高額・悪質な不正が想定される者」、「社会的に注目される事案・業種」、「新たな事業展開を図っている事案」、「(国際取引等の)ボーダーレス化に伴う事案」、「(電子商取引等の)高度情報化に伴う事案」に積極的に取り組んだとも記載されています。なお、調査対象者の表現は前年の「第63回 事務年報 平成25年度 国税庁」でも同様でした。ご興味のある方は、もうすぐ発表される「第65回 事務年報 平成27年度 国税庁」でどのような表現になっているか確認してみてください。

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