不動産所得特集 その2(収入金額の計上時期)


不動産所得特集 その2 (収入金額の計上時期)

FROM 個人のお客様のための佐々木健税理士事務所(東京 東久留米市)





 マンション経営・アパート経営・駐車場経営をなさっているお客様から聞かれることの多い、不動産所得に係る税務についてまとめてみました。
 今回は、その2として、「不動産所得の収入金額の計上時期」についてです。


◉ 不動産所得の収入金額の計上時期

 不動産所得の収入計上時期は、なかなかわかりにくいので、以下の通りまとめてみました。
 なお、原則は、① 権利が確定していること、② 取引事実が発生していること、③ 金額が確定していること
の3つの条件が揃った場合に 収入に計上することになります。
 また、不動産所得の総収入金額には、通常の地代・家賃のほか、名義書換料、礼金などの不動産貸付に伴う収入が含まれます。


不動産収入の計上時期

1 契約、慣習により支払日が定められているもの:定められた支払日

2 支払日が定められていないもの
 ① 請求があった日に支払うべきもの:請求の日
 ② その他のもの:支払いを受けた日

3 供託家賃
 ① 賃貸料の額に関する係争:供託された金額については、上記1又は2の区分により計上する。供託金を超える部分については、判決・和解等のあった日で計上する。
 ② 賃貸契約の存否の係争:判決・和解等のあった日で計上する。

4 礼金・権利金・名義書換料・更新料
 ① 貸付資産の引渡しを要するもの:引渡しのあった日又は契約の効力の発生日
 ② 引渡しを要しないもの:契約の効力の発生日

5 敷金・保証金
 ① 全額返金するもの:収入計上不要
 ② 貸付期間の経過に関係なく返還しない定めとなっている部分の金額:上記4の区分により計上する。
 ③ 貸付期間の経過に応じて返還しない金額が増加する定めとなっている場合のその増加する部分の金額:返還を要しないこととなった日
 ④ 解約などの時に、返還しなかった金額が上記5-②の金額を超えている場合のその超えている部分の金額:貸付が終了した日


参考

所得税法基本通達

36-5 不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、別段の定めのある場合を除き、それぞれ次に掲げる日によるものとする。
(1) 契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日、支払日が定められていないものについてはその支払を受けた日(請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日)
(2) 賃貸借契約の存否の係争等(未払賃貸料の請求に関する係争を除く。)に係る判決、和解等により不動産の所有者等が受けることとなった既往の期間に対応する賃貸料相当額(賃貸料相当額として供託されていたもののほか、供託されていなかったもの及び遅延利息その他の損害賠償金を含む。)については、その判決、和解等のあった日。ただし、賃貸料の額に関する係争の場合において、賃貸料の弁済のため供託された金額については、(1)に掲げる日
(注)
1 当該賃貸料相当額の計算の基礎とされた期間が3年以上である場合には、当該賃貸料相当額に係る所得は、臨時所得に該当する(2-37参照)。
2 業務を営む賃借人が賃借料の弁済のため供託した金額は、当該賃借料に係る(1)に掲げる日の属する年分の当該業務に係る所得の金額の計算上必要経費に算入することに留意する。

36-6 不動産等の貸付け(貸付契約の更新及び地上権等の設定その他他人に不動産等を使用させる行為を含む。以下36-7までにおいて同じ。)をしたことに伴い一時に収受する頭金、権利金、名義書換料、更新料等に係る不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、当該貸付けに係る契約に伴い当該貸付けに係る資産の引渡しを要するものについては当該引渡しのあった日、引渡しを要しないものについては当該貸付けに係る契約の効力発生の日によるものとする。ただし、引渡しを要するものについて契約の効力発生の日により総収入金額に算入して申告があったときは、これを認める。

36-7 不動産等の貸付けをしたことに伴い敷金、保証金等の名目により収受する金銭等(以下この項において「敷金等」という。)の額のうち、次に掲げる金額は、それぞれ次に掲げる日の属する年分の不動産所得の金額の計算上総収入金額に算入するものとする。
(1) 敷金等のうちに不動産等の貸付期間の経過に関係なく返還を要しないこととなっている部分の金額がある場合における当該返還を要しないこととなっている部分の金額  36-6に定める日
(2) 敷金等のうちに不動産等の貸付期間の経過に応じて返還を要しないこととなる部分の金額がある場合における当該返還を要しないこととなる部分の金額  当該貸付けに係る契約に定められたところにより当該返還を要しないこととなった日
(3) 敷金等のうちに不動産等の貸付期間が終了しなければ返還を要しないことが確定しない部分の金額がある場合において、その終了により返還を要しないことが確定した金額  当該不動産等の貸付けが終了した日


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