給与か外注費か

給与か外注費か

給与所得に該当するのか事業所得に該当するのかについては悩まれる方が多いと思います。

FROM 個人のお客様のための佐々木健税理士事務所(東京 東久留米市)

事業所得と給与所得の判定について

 事業所得とは、自己の計算において独立して行われる事業から生ずる所得をいうこととされていますので、例えば、請負契約又はこれに準ずる契約に基づく業務の遂行ないし役務の提供の対価は事業所得に該当し、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく役務の提供の対価は、事業所得に該当せず、給与所得に該当します。
 業務を遂行し又は役務を提供したことの対価として支払を受けた報酬(以下「本件報酬」という。)に係る所得区分は、本件報酬が、請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、又は雇用契約若 しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定することになります。
 なお、雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価として給与所得に該当する場合は、その給与等の支払をする者は、その支払の際に、所得税の源泉徴収を行うことになります。

参考 ○最判昭和 56 年4月 24 日(民集 35 巻3号 672 頁)
およそ業務の遂行ないし労務の提供から生ずる所得が所得税法上の事業所得(同法 27 条1項、同法施行令 63 条 12 号)と給与所得(同法 28 条1項)のいずれに該当するかを判断するにあたっては、租税負担の公平を図るため、所得を事業所得、給与所得等に分類し、その種類に応じた課税を定めている所得税法の趣旨、目的に照らし、当 該業務ないし労務及び所得の態様等を考察しなければならない。したがって、弁護士の顧問料についても、これを一般的抽象的に事業所得又は給与所得のいずれかに分類すべきものではなく、その顧問業務の具体的態様に応じて、その法的性格を判断しなければならないが、その場合、判断の一応の基準として、両者を次のように区別する のが相当である。すなわち、事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいい、これに対し、給与所得とは雇傭契約又はこ れに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいう。なお、給与所得については、とりわけ、給与支給者との関係において何らかの空間的、時間的な拘束を受け、継続的ないし断続的に労務又は役務の提供があり、その対価として支給されるものであるかどうかが重視されなければならない。

契約によって所得区分が判定できないときの判定基準

 原則は、請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのか、又は、雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価であるのかにより判定することになります。
 民法上、「雇用」とは、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約するもの、「請負」とは、当事者の一方が ある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うこ とを約するものとされています。業務の遂行又は役務の提供には種々の形態が存するところ、所得区分が、契約によって判定できない場合には、例えば、次の事項を総合勘案して判定することになります。
1 他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。
2 報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。
3 作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。
4 まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。
5 材料又は用具等(軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。以下同じ。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。

 したがって、その個人の業務の遂行又は役務の提供について、例えば他人の代替が許容されること、報酬の支払者から時間的な拘束や指揮監督(業務の性質上当然に存在するものを除きます。)を受けないこと、引渡未了物件が不可抗力のために滅失した場合等に、既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬について請求することができないこと及び役務の提供に係る材料又は用具等を報酬の支払者から供与されていないこと等の事情がある場合には、事業所得と判定することとなります。

参考 ○民法(抄)
623 条 雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。
632 条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

参考文献「大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いに関する留意点について(情報)」

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